過蓋咬合になる原因と症状ってどういうものがあるの?
投稿日:2026年9月15日
カテゴリ:スタッフブログ
歯医者さんの定期検診や噛み合わせの相談などで「噛み合わせが深い」と言われたりしたことはありませんか?
歯並びや噛み合わせにはさまざまな種類がありますが、そのひとつに「過蓋咬合(かがいこうごう)」があります。上下の前歯を噛み合わせたときに、上の前歯が下の前歯を大きく覆っているように深く覆いかぶさるように噛み込みが過度な状態を指します。
今回は、過蓋咬合とはどのような状態なのか、原因や症状、放置することで考えられるリスク、治療方法について詳しく解説します。

過蓋咬合とは?
正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯の上1/3程度を覆っています。しかし、過蓋咬合ではその重なりが大きく、場合によっては下の前歯が見えなくなるケースもあり、軽度のものから、下の前歯が上の歯ぐきに当たってしまうほど深い噛み合わせまでさまざまです。
また、過蓋咬合は上顎と下顎別々に歯並びを見ると問題がないようにみえることもあります。見た目というより、上顎と下顎の関係(噛み合わせ)から生じる問題であることが特徴です。
過蓋咬合の主な原因
過蓋咬合が起こる原因は歯の生え方だけでなく、上下の顎の骨格や奥歯の状態、噛み方など、複数の要因が関係しています。
1.上顎と下顎のバランス
過蓋咬合の原因のひとつが、上下の顎の大きさや位置関係です。
上顎の方が下顎より前突関係にある場合、前歯の噛み合わせが深くなることがあります。下顎骨の位置や傾き、成長方向など、骨格的な要素が大きく関係しているケースでは、歯だけを動かすのではなく、顎骨全体の成長誘導を治療計画に含む包括的な矯正治療が必要になります。
2.前歯の傾きや位置
前歯の方向や傾きも、過蓋咬合に影響します。
上の前歯が内側に傾いていたり、下の前歯の位置が低くなっていたりすると、上下の前歯の重なりが深くなることがあります。
この場合には、矯正治療によって歯の位置や角度を整えることで改善を目指せる場合があります。
3.奥歯の高さや噛み合わせ
奥歯の生え方などによって、前歯の噛み合わせの深さが変化することがあります。奥歯は噛み合わせの支柱ですので、奥歯の噛み合わせが低い場合前歯の重なりが深く噛み込むことがあります。
そのため、過蓋咬合の治療では前歯だけでなく、奥歯を含めた歯列全体のバランスを確認する必要があります。
4.歯ぎしり食いしばり
歯ぎしり食いしばりなど、歯に強い力が継続的にかかる習慣も、噛み合わせに影響する場合があります。特に強い力が長期間かかることで、歯がすり減ったり、歯や歯周組織に負担がかかったりすることがあります。また、歯ぎしり食いしばりは過蓋咬合になった成因をルーツとして発生している場合もありますので、歯ぎしり食いしばりを解消することが必ずしも解決につながるわけではないので、ちゃんとした診査診断が必要です。
過蓋咬合にはどのような症状がある?
過蓋咬合は、特に痛みを伴ったりトラブルを必ず引き起こすものではありません。そのため、「特に困っていないから問題ない」とするケースも多いのも事実です。
しかし、噛み合わせの状態によっては、さまざまな症状につながることがあります。
・前歯が歯ぐきに当たる
過蓋咬合が強い場合、下の前歯が上顎の前歯の裏側にある歯ぐきに当たってしまうことがあります。その状態が続くと、歯ぐきに傷や潰瘍が生じる可能性があります。
・歯がすり減りやすい
噛み合わせが深い状態では、特定の歯に噛む力が集中することがあります。その結果、本来であればすり減りにくい歯の表面が削れてしまったり、歯が欠けたり詰め物被せ物が脱離破損したりする可能性が高くなります。
さらにこの場合、歯ぎしり食いしばりが生じやすい傾向が出たり、まさに負のスパイラルに陥りかねません。
・顎関節に負担がかかる
噛み合わせは、顎の動きとも密接に関係しています。
過蓋咬合によって下顎骨の運動が制限されたり、下顎が上顎を突き上げるように力がかかったりすることで、顎関節そのものや咀嚼筋に負担がかかることがあります。
その結果、口を開けると顎が痛かったり音がなったり、疲れやすくなったり、ひどい場合だと口が開けにくくなるといった症状が現れます。
ただし、過蓋咬合があるから必ず顎関節症になるわけではありません。顎関節症には、歯ぎしり食いしばり、ストレス、姿勢などさまざまな要因が関係します。
過蓋咬合を放置するとどうなる?
先述の通り、過蓋咬合はすべてのケースで治療が必要になるわけではありません。
しかし、明らかにそれに起因する症状がある場合には、放置することで歯そのものや顎関節への負担がさらにトラブルを招く可能性があります。
また、年齢とともに歯がすり減ったり歯を失うことで噛み合わせが流動的に変化していきます。その変化の中で過蓋咬合が生じることも十分ありえます。
子どもの過蓋咬合は早めに相談するべき?
お子さまの過蓋咬合が気になる場合は、成長段階を考慮した診断が重要です。
小児の場合、顎は成長途中にあるため成長の方向や歯の生え変わりによって噛み合わせが常に変化していきます。小児の時点での過蓋咬合は基本的に放置して改善することは無いので、成長を利用した矯正治療を提案する場合があります。
小児期に矯正治療を行うことで、成人矯正では実現できないレベルでの改善を得ることが出来ます。
過蓋咬合の治療方法
過蓋咬合の治療方法は、基本的には矯正治療になります。しかし、どういった手法によって矯正治療が行われるかは、過蓋咬合の原因や程度、年齢、症状、骨格などによって異なってきます。
ワイヤー矯正
歯にブラケットとワイヤーを装着し、歯を少しずつ移動させて噛み合わせを整える昔からよく行われている方法です。歯の位置や角度を細かく調整できるだけでなく、上顎と下顎の間にゴムをかけることで顎の位置を誘導することもできるため、過蓋咬合を含むさまざまな噛み合わせの治療に用いられます。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを段階的に交換して歯を移動させる方法です。目立ちにくく、取り外して食事や歯磨きができることが特徴です。歯並びに起因する過蓋咬合であればマウスピース矯正で対応出来てしまうといえますが、過蓋咬合の程度や骨格的な問題を含む場合はマウスピース矯正だけでは対応が困難なケースもあります。
外科的矯正治療
骨格的な問題が大きく、通常の矯正治療だけでは十分な改善が難しい場合には、顎の手術を組み合わせた矯正治療が検討されることがあります。
※これは一部の重度の症例で選択される治療方法であり、すべての過蓋咬合に必要になるわけではありません。
まとめ
過蓋咬合とは、上下の前歯を噛み合わせたときに、上の前歯が下の前歯を通常より深く覆っている状態です。
原因には、
・ 上顎と下顎の骨格的バランス
・ 前歯の位置や傾き
・ 奥歯の高さや噛み合わせ
・ 歯ぎしり食いしばり
など、さまざまなものがあります。
過蓋咬合が強い場合、歯ぐきに歯が当たって怪我をするようになったり、噛み合わせのバランスが崩れて顎関節や咀嚼筋のトラブルにつながる可能性があります。
特にお子さまの場合は、顎や歯が成長している途中だからこそ、現在の状態を確認し、適切な治療時期を見極めることが大切です。
「噛み合わせが深いと言われた」「鏡で見たら下の前歯がほとんど見えない」「顎や歯に負担がかかっている気がする」という方で不安な場合は、まずは一度歯科医院で相談してみましょう。
歯並びだけでなく、噛み合わせや顎の状態まで含めて診断し、一人ひとりに合った治療方法を選択することが、将来のお口の健康を守ることにつながります。
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